夏といえば・・ 花火の話  近藤浩

夏の風物詩といえば、花火大会は欠かせないでしょう。今年も県内各地で数多くの花火大会が開催されており、病院のある阿賀野市でも瓢湖大花火大会が8月25日に開催されます。
6月から9月にかけての新潟は、大小さまざまな花火大会が開催され、集落の小さな花火大会から、数十万人を動員する超大型花火大会まで、バラエティに富んだ花火大会が目白押しです。まさに花火王国と言っても良いでしょう。
現在の私は温泉巡りがライフワークとなっていますが、かつては花火を生きがいとしていた時期があり、今回は花火にまつわる思いなどを書いてみたいと思います。

さて、日本の三大花火大会といえば、秋田県大曲の全国花火競技大会、茨城県の土浦全国花火競技大会、新潟の長岡まつり大花火大会です。そして、新潟の三大花火大会といえば、ぎおん柏崎まつり海の大花火大会、長岡まつり大花火大会、片貝まつり花火大会です。それぞれに個性的な魅力があり、そのロケーションにより海の柏崎、川の長岡、山の片貝として全国的にも知られています。
日本三大花火大会に数えられる長岡の花火は今さらここで紹介するまでもないでしょう。毎年8月2日、3日に広大な信濃川河川敷で開催され、三尺玉やフェニックス花火を始めとする大型花火で観衆を圧倒し、その存在感は揺るぎありません。しかし、柏崎や片貝の花火も、それに負けない魅力があります。

私は当院に勤務する前は柏崎に長く暮らしており、毎年7月26日、ぎおん柏崎まつりの最終日に開催される花火大会が楽しみでした。
柏崎中央海岸から鵜川河口や柏崎港の防波堤に至る広大な空間を利用して、柏崎ならではのプログラムが工夫されています。尺玉300連発、尺玉100発同時打ち上げ、三尺玉2発同時打ち上げなどという、長岡でもかなわないようなプログラムが魅力です。
幅600mのワイドスターマインや水面上に打ち出される海空中スターマインは柏崎ならではであり、見ごたえがあります。長い尾を引きながら幅1500mで打ち上げられる尺玉100発同時打ち上げは、冗談かと思うほどです。
市制60周年記念の2000年には尺玉600連発が打ち上げられましたが、その時の感動は今も忘れられません。市制60周年なので尺玉60連発かと思い、それでもすごいと思っていたのですが、なんと600連発ということで驚きました。この試みは全国的にも注目され、柏崎の花火を全国区に押し上げることになりました。あまりにも評判になりすぎて1回で止めるわけにはいかなくなりましたが予算もあることですので、以後300連発で継続されることになりました。
かつては東京電力という大スポンサーのパラシュート花火付きの超大型花火も魅力でしたが、昨今の事情で自粛しているようです。それでも市民の花火を始めとして魅力的な花火が多数上がりますので、機会がありましたら是非ご覧ください。

ぎおん柏崎まつりの花火

ぎおん柏崎まつりの花火


次に、小千谷市の片貝まつりの花火大会も私が大好きな花火大会です。正式には浅原神社秋季例大祭奉納大煙火といい、個人や団体で神社に奉納するという全国的にも珍しい花火大会です。毎年9月9日、10日に、浅原神社の裏手で開催されます。あくまで奉納が目的ですので、台風の直撃でもない限り中止になることはなく、雨雲の中での花火もときどき経験します。
私はかつて小千谷の病院に勤務していたことがあり、そのとき職員有志で花火を奉納した思い出があります。片貝と言えば、四尺玉が有名ですが、それ以外にも魅力がいっぱいです。
片貝の花火は、長岡や柏崎のように間断なくスターマインが打ち上げられるスマートさはありません。しかし、1発1発に奉納者の願いが込められているため、奉納のアナウンスを聞きながら花火を見ていますと胸に迫るものがあります。
片貝中学校の同期性は毎年お金を積み立て、人生の節目に花火を上げるのが習わしです。色鮮やかな成人の花火、華麗な42歳厄年の花火、銀色を基調として光り輝く50歳の花火、70歳の古希を祝って打ち上げる真昼の三尺玉も良いですが、何と言っても圧巻は、60歳の還暦の花火でしょう。
片貝の花火のメインは、世界一の四尺玉ではなく、この還暦の花火だと私は常々思っています。人生の全てを賭けているような神がかり的な力を感じます。
毎年還暦の花火は金色一色であり、その色は人生のクライマックスを飾る輝きです。通常の大型スターマインでいえば、これで終わりかなという頃合いからが片貝の真骨頂です。尾を引きながら次から次へと尺玉が上がり、空が黄金で埋め尽くされるさまは、これぞ片貝という感じです。
木遣りを歌いながら山車を引き、桟敷席の中央のお立ち台に立って、自分たちが奉納した花火の打ち上げを見守る姿は感動的です。片貝の花火は、遠くから見るのではなく、浅原神社に参拝し、熱気あふれる町の賑わいを肌で感じることがお勧めです。
片貝まつりの花火のプログラムは新聞大の「花火番附」として販売され、そこには花火奉納のコメントがたくさん載せられていて、そのコメントは打ち上げ時にアナウンスされます。
ある年の還暦の花火(朗志会の皆様奉納)のコメントはこんな具合です。
「片貝を語るとき そこに花火がある 今宵魂の花火を仕掛けます 先掛尺玉三発同時打上 祝・還暦 物故同級生追善供養 朗志会員の健康祈願 団結を誇る朗志会 天まで届けこの轟きを 尺玉六十発入り 超大型スターマイン 前代未聞 超迫力 後打一斉 尺玉十発同時打上」
どうです。読んでいてわくわくしませんか。

片貝祭りの奉納花火

片貝祭りの奉納花火


このように、私の花火に対する思いは強く、かつては花火に関してのホームページで情報発信し、全国的にも注目された時代もあったのですが、最近は花火に出かけることはなくなり、活動は休眠中です。
当院に勤務するようになり、遠距離のため行きにくくなったこと、他の予定があって物理的に行けないこともありますが、年を取って行動力が失せてしまったことが一番の要因です。温泉活動に力を入れすぎているということもありますが・・。
でも、たとえ実際に現地へ見には行けなくても、花火への熱い思いは消えることはなく、このような文章を記している次第です。この拙文を書きながら、私の頭の中では尺玉が破裂しています。(病気ですね)
花火好きのDNAを受け継いだ私の子供たちも花火好きになりました。私の代わりに今年もあちこち出かけることでしょう。世代交代ということでしょうか。


2016年7月19日 | カテゴリー : Dr'sコラム | タグ : | 投稿者 : 脳神経センター阿賀野病院