早く走るコツを、こっそりお教えいたします。(こっそりですぞ) 青木賢樹

今年は、夏の甲子園も、東海大相模高校の優勝で、幕を閉じました。平成27年8月9日の試合では、新潟県代表の中越高校は頑張りましたが、残念ながら、兵庫県代表の滝川二高に、3対4で、9回サヨウナラ負けで敗退しました。早稲田実業の清宮選手、関東第一のオコエ選手、東海大相模の小田原選手、仙台育英の佐藤選手など、有望な高校生がたくさん活躍し、見ていて楽しかったですね。スポーツは、どの種目でも見ていて楽しいです。

さて、スポーツと言うと、まずは走ることが基本です。では早く走る(短距離)には、医学的にどこが大事でしょうか?私の持論を含めて説明したいと思います。スポーツ理論を真面目に学んだわけではないので、あくまでも持論ですので(嘘かもしれません。)軽〜く聞き流してください。そして決して他言無用です。みんなが練習すると、同じく早くなってしまいます。(せこいかも)

今年8月24日の世界陸上選手権のボルト選手の様に100mを9秒台で早く走ることはできませんが、せめて鍛える部位を明らかにして、秋の運動会にでも試してみて下さい。さすがに練習しないで早く走れることはありませんので、あしからず。早く走るということは、例えば単純に言うと、100mの距離を自分の体重(約80kg(自分の体重です)、まずはこれを減らさねばならないことは、一番自分が知っています。お恥ずかしい限りです。)をいかに早く前に移動させるか、ということです。体重で、一番重たい部分は、胴体と頭です。胴体と頭と腕で43%+7%+6.5%×2=約63%、足は18.5%×2=37%程度だそうです。体重を早く前に移動させるといことは、どこの筋肉を使うのでしょうか?無論どこの筋肉も大事であることはいうまでもありませんが、一番鍛えると良い筋肉を選びましょう。自分で、キャスター付きの椅子に座り足で前に進んでみて下さい。一番使うのは、大腿の後ろ側の筋肉(ハムストリング、大腿二頭筋)です。もちろん下腿のふくらはぎの筋肉(腓腹筋など)も使いますが、体重を前に移動させる筋が、大腿の後ろの筋です。昔、陸上部等では、腿(もも)上げをさせられました。腿上げは、足の重さ分(片足では約18%)をあげるだけです。腸腰筋などが関連してきますが、体重を移動させることはありません。ちなみに全身の筋CTで、一番筋肉量が多い部分が、大腿の後の筋群です。理論的(?)には大腿の後方の筋を鍛えるべきです。

それではどのように鍛えるとよいでしょうか?どの運動のときに大腿の後方の筋が動いているでしょうか?スクワット運動は、下腿の前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることなので、足を延ばすような運動にはいいのですが、早く走るにはたくさんは関連しません。スタートダッシュや幅跳びや高飛びなどのジャンプや、サッカーのボールを蹴る動作には良いと思います。「巨人の星」の伴宙太のように、鉄下駄を履いたり、足首に重りをつけて走る練習も足を上げる運動にはいいのですが、早く走るにはいま一つです。おそらくランドセルみたいなリュックサックに荷物を入れて、背負って早く走る練習が一番効果的だろうと思います。このときリュックサックに少しずつ砂でも入れて徐々に増やしていき、走る練習を試合当日の1日前まで練習して、1日前からすべての荷重を外して走る練習をして慣らしておくと早く走れます(はずです。もしくは、といいなあー)。ただし、効果は2−3日程度しかないと思います。負荷をかける練習は持続的でないと、すぐに負荷を取ると筋が元の体重に慣れてしまします。リュックサックは、腰にしっかりとつけてあまり動かないようにしないと怪我しますので、ご注意ください。いっぺんにたくさんの負荷は止めたほうが身のためです。少しずつ増やしましょう。いつも持つカバン程度の重さの4〜6kgから初めて、体重の1〜2割程度までで、約8~16kg程度が良いと思います。ただし成長期の子供さんは、10%以下(1割未満)で、リュックの位置は腰から10cm下にはつけないようにしましょう。あんまり筋肉つけると成長に問題が生じることもあり、ほどほどにしておきましょう。走ることはもちろんすべての筋が連動して自分の体重を早く前方に移動させることが必要なので、いろいろな部位の筋を鍛えることが大事ですが、ゴムチューブなどを利用して足を後ろに進展させる練習でもいいと思います。足の回転数などはあまり変わらないはずです。ボルト選手などは、一歩の大きさが、違うようです。同じ回転数でも、歩幅が広ければ、早く走れることに理論上はなります。運動選手が、大腿の裏の肉離れをよく起こすことが新聞報道に出てきますが、体重を早く移動させる筋がいかに大事かということだろうと考えています。ただしスポーツジムでのベルトコンベアー型の器械の上で走る運動では、筋力はつきません。(僕の理論では筋力はそれほどいらないようになっている。)向こうが勝手に回っていくからです。自分の重たい体重移動をさせないからです。やらないよりはいいかも、そして持久力は少しつくかもぐらいでしょうか。

最後に蛇足ながら、あまり無理はしないでください。自分も若いつもりで、町民運動会にでて、大腿後の筋の肉離れ(断裂)を右、左、その次の年は、ふくらはぎをやってしまい、1週間程度歩行に支障がでました。弱いところ(体重と釣り合っていない筋)から、悲鳴をあげるようです。情けないことこの上なしです。くれぐれも無理しないでください。そして何か事故があっても当方は一切責任を負いません。自己責任ということでお願いします。まずは、早歩きの散歩など、20分程度の適度な運動は、自分のためには是非行いましょう。以上、お粗末でした。次回は、野球などで早い球を投げる方法です。お楽しみにしてください。

ちなみに将来は、高校野球の監督になるのが夢です。むろん、ノックは、コーチ任せになると思います。残念ながら自分ではバットにボールが当たりません。

あくまでも、自分的には医学的理論上の話であると妄想しています。

副院長 青木 賢樹